1. コンピュータネットワーク
    1. インターネット
    2.  各国、各企業、各研究機関のネットワークを接続している世界的ネットワーク網。 アメリカ国防総省が各国に展開する自国の軍隊をネットワークで相互に通信できるようにしたのが起源とされる。 後に学術機関に開放され、コンピュータ同士の通信の技術が研究された。 軍事利用を目的として設計されたため、特定の個所を破壊されてもネットワークが継続運用できることを設計思想に盛り込んでいる。 このため拡張性が高く、また、安定性も高いため普及を後押しすることとなった。 1990年代ごろから商業利用もされるようになり、現在のインターネットの姿となる。

    3. LAN(Local Area Network)
    4.  同一セグメント内で相互通信が可能なネットワーク形態のこと。 通常は同じ建物内に物理的に接続されたネットワークを指す。

    5. WAN(Wide Area Network)
    6.  異なるLAN同士でも相互通信が可能なネットワーク形態のこと。 建物の異なる遠隔地のコンピュータネットワークとも接続可能なものを指す。 通常は複数のLANをIP-VPNやフレームリレー*などで相互に接続可能な状態にし、WANを構成するケースが多い。

    7. イントラネット
    8.  企業のもつLANまたはWANをインターネットに接続し、インターネットのグローバル性を取り入れながら、自社のネットワークを構築する形態。 たとえば、自社の各端末とLANで接続しながら、電子メール、WEBサイトを活用することで会社の外にもネットワーク環境を拡げることができる。 また、遠隔地にある自社の事業所とも専用線などのハード面の設備投資なしでWANを構成できる。 ただし、会社の情報を守るため、ファイアウォール*や、VPN*などの導入。社員のセキュリティ教育のなどのソフト面の対応が必要となってくる。

  2. プロトコル
  3.  コンピュータ同士が通信を行う際に必要となる電文のフォーマットや手順などの取り決め(仕様)のこと。 電子機器も互いに連携するためには統一された規格で動作するように設計されていなければいけないが、コンピュータ上で稼働するソフトウェアも連携の手順に沿ってプログラムが動作しなければお互いにデータの連携ができない。 たとえば電子メールの場合、相手先のメールアドレスから実際に送信されるべき端末を導き出す方法や、送受信されるデータの何が宛先データであり、件名であり、本文であり、送り主アドレスデータかを統一して定めていないと電子メールを受け取ったり送ったりすることができない。 このような決めごとを定め、ソフトウェア間での通信を可能にするものをプロトコルと呼ぶ。 1970年代からBASIC手順などの簡易なプロトコルが国際標準機関のISO*で規定され、時代の変化に合わせてより高度なプロトコルがつかわれている。

  4. OSI参照モデル
  5.  国際標準機関のISOが考案したプロトコル「OSI(Open System Interconnection)」で提唱されたプロトコルの雛形となるモデル。 プロトコルに求められる7つの基本的な機能を階層化して区分付けしたもの。 このモデルに準拠してOSIプロトコルは設計されている。 プロトコルのデファクトスタンダード*であるTCP/IPの基礎となっているTCP/IPモデル*では4階層で区分けされる。

    OSI参照モデル
    レイヤ7 アプリケーション層 ネットワーク接続を前提とした、ユーザーの利用目的に合わせた機能を提供。
    レイヤ6 プレゼンテーション層 アプリケーションが利用するデータの形式を規定し、必要に応じて変換する。
    TCP/IPモデルではアプリケーション層に含まれる。
    レイヤ5 セッション層 アプリケーション間の通信接続と切断を制御する。
    一般的には遠隔アプリケーション間の接続管理機能を提供し、要求(リクエスト)から応答(レスポンス)までの手順などを定義している。
    TCP/IPモデルではアプリケーション層に含まれる。
    レイヤ4 トランスポート層 要求端末(ノード)から応答端末(ノード)への通信の信頼性を確保する。
    エラー検出方法や再送方法などを定義。また、複数のアプリケーションプロトコルから通知対象のものを選び出すポート番号を設定し、データ(セグメント)にこれを付与する。
    レイヤ3 ネットワーク層 要求端末(ノード)から応答端末(ノード)との論理的接続を制御する。
    一般的にはノードに論理アドレスを設定し、データ(パケット)の送付先、送付元にこれを付与することによってエンドツーエンド通信を可能にする。
    レイヤ2 データリンク層 端末(ノード)同士の論理的接続を制御する。
    一般的にはノードに物理アドレスを設定し、データ(フレーム)の送付先、送付元にこれを付与することによって端末間通信を可能にする。
    TCP/IPモデルでは「ネットワークインターフェース層」となる。
    レイヤ1 物理層 伝送媒体上でビット転送をおこなうための手順等を定める。
    TCP/IPモデルでは「ネットワークインターフェース層」となる。
    • アプリケーション層
    • ネットワーク接続を前提とした、ユーザーの利用目的に合わせた機能を提供。

    • プレゼンテーション層
    • アプリケーションが利用するデータの形式を規定し、必要に応じて変換する。
      TCP/IPモデルではアプリケーション層に含まれる。

    • セッション層
    • アプリケーション間の通信接続と切断を制御する。
      一般的には遠隔アプリケーション間の接続管理機能を提供し、要求(リクエスト)から応答(レスポンス)までの手順などを定義している。
      TCP/IPモデルではアプリケーション層に含まれる。

    • トランスポート層
    • 要求端末(ノード)から応答端末(ノード)への通信の信頼性を確保する。
      エラー検出方法や再送方法などを定義。また、複数のアプリケーションプロトコルから通知対象のものを選び出すポート番号を設定し、データ(セグメント)にこれを付与する。

    • ネットワーク層
    • 要求端末(ノード)から応答端末(ノード)との論理的接続を制御する。
      一般的にはノードに論理アドレスを設定し、データ(パケット)の送付先、送付元にこれを付与することによってエンドツーエンド通信を可能にする。

    • データリンク層
    • 端末(ノード)同士の論理的接続を制御する。
      一般的にはノードに物理アドレスを設定し、データ(フレーム)の送付先、送付元にこれを付与することによって端末間通信を可能にする。
      TCP/IPモデルでは「ネットワークインターフェース層」となる。

    • 物理層
    • 伝送媒体上でビット転送をおこなうための手順等を定める。
      TCP/IPモデルでは「ネットワークインターフェース層」となる。

    各階層でのデータの呼び名
    階層(レイヤ) データ単位
    レイヤ7 メッセージ、データ
    レイヤ4 セグメント
    レイヤ3 パケット、データグラム
    レイヤ2 フレーム

    OSI参照モデルフロー図

    OSI参照モデルフロー図

  6. TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)
  7.  OSI参照構造は階層構造が厳密過ぎて実現が難しく。OSIも実装の煩雑さなどからあまり普及しなかった。 インターネットの実現にはTCP/IPが大きく貢献しデファクトスタンダードとなる。 通常はTCP(Transmission Control Protocol)IP(Internet Protocol)を軸としたプロトコル群で構成される。 TCP/IPを含むインターネット技術の標準化はIETF* を中心に進められRFC*によって規定されている。

  8. TCP/IPモデルにおける下位層の役割
  9.  フレームをビット信号化してツイストペアケーブル*などの伝送媒体に流し込む。逆に伝送媒体から流れてきたビット信号をフレーム化して上位層が解釈実行可能なデータに変換する。また、NIC*に書き込まれている物理アドレス(MACアドレス)から端末を識別する。 この階層レベルで接続可能(論理アドレスを必要としないで接続可能)なノードの集まりを「(コリジョン・)セグメント*」と呼ぶ。 この階層の代表的な規格にEthernetがある。 さらに、ARP(Address Resolution Protocol)により物理アドレスと論理アドレスのマッピングをすることでネットワーク層以上の階層との連携が可能になる。


  10. TCP/IPモデルにおける中間層(ネットワーク層/トランスポート層)の役割
  11.  ネットワーク層はノードに論理アドレス(IPアドレス)を設定し、送受信するフレームをパケットに変換して物理アドレスと論理アドレスを結び付ける。送信先の物理アドレスの習得には「ブロードキャスト」を用いて対象となる論理アドレスを持つノードに物理アドレスを要求する。 物理アドレスがハードウェアに直接設定されるため、論理アドレスを付与することによりネットワーク上で通信対象を機器に依存しないで選択することができる。 また、ARP(Address Resolution Protocol)の代理ARPを利用することにより、異なるネットワーク(LAN)との通信を可能にする。 トランスポート層は相手端末の対象アプリケーションを識別する「ポート番号」を付与してセグメントに変換する。 代表的なプロトコルはTCP(Transmission Control Protocol)IP(Internet Protocol) ほかにUDP(User Datagram Protocol)ICMP(Internet Control Message Protocol)などがある。

  12. TCP/IPモデルにおける上位層(アプリケーション層)の役割
  13.  TCP/IPモデルではアプリケーション層を担うプロトコルがある。 代表的なものにHTTP(Webサーバ)、FTP(ファイル転送)、DHCP(動的アドレス設定)、POP(電子メール受信)、SMTP(電子メール送信)などである。

  14. トポロジ
  15.  ネットワーク上のノード同士の相関関係を2次元幾何学モデルで抽象化したもの。 一般的に以下のようなトポロジがある。

    1. バス形

    2. バス形トポロジ

       複数のノード同士がケーブルを共有し合って関係性を構築する。 マルチポイント方式で通信の際は全てのノードにリクエストし、対象ノードだけがレスポンスを返す。

      • メリット
        • ノードの増設が容易。
        • 特定の個所の障害でシステム全体が停止することがない。

      • デメリット
        • コリジョンが発生することがあるため安定性が低く、結果、伝送効率が悪くなる。
      • 主なアクセス制御方式

    3. スター形

    4. スター形トポロジ

       複数のノードが中央の中継機器あるいはホストを共有して関係性を構築する。
      ポイントツーポイント方式で通信の際は中央の中継機器あるいはホストと通信する。
      ノード間通信の場合は送信元ノードが中継機器に一度リクエストし、
      この中継機器が送信先ノードに代理で通信して送信元ノードにレスポンスする2段階方式の場合が多い。

      • メリット
        • ノードの増設が容易
        • コリジョンが発生することはないため安定性が高く、結果、伝送効率は高くなる。

      • デメリット
        • 中央の中継機器あるいはホストに障害が発生すると全体に影響を及ぼし、性能が低いと全体の性能が低下する。
        • 中央の中継機器あるいはホストに複数のノードがアクセスするため効率的な制御権取得方法がないと伝送効率は低下する。
      • 主なアクセス制御方式
        • TDMA(Time Division Multiple Access)*

    5. リング形

    6. リング形トポロジ

       複数のノードがリング状に接続されて関係性を構築する。ポイントツーポイント方式で通信の際は隣のノードと通信する。他のノードと通信する場合は隣のノードに代理通信してもらい、これを繰り返すことで対象ノードまで到達させる。

      • メリット
        • 安定性が高いため、伝送効率は高くなる。

      • デメリット
        • ノードに一つでも障害が発生すると全体に影響を及ぼし、性能が低いと全体の性能が低下する。
        • ノードの増設が難しい
      • 主なアクセス制御方式

    7. メッシュ形

    8. メッシュ形トポロジ

       複数のノードが2本以上のケーブルで網の目状に接続されて関係性を構築する。マルチポイント方式とポイントツーポイント方式を併用し、通信したいノードまでの経路をあらかじめマルチポイント方式で取得しておき、実際の通信はポイントツーポイントで行う。

      • メリット
        • ノードの増設が容易
        • 特定の個所の障害でシステム全体が停止することがない。
      • デメリット
        • 安定性はやや低く、したがって伝送効率もやや低い。

  16. 中継機能
    1. レピータ
    2.  物理層での中継機能。物理的な距離が大きいことにより減退した信号を増幅する。 複数のポートを持つことで複数のケーブルを中継できるマルチポートレピータ機器をハブと呼び、 通常は複数のノードをバス型トポロジに構成するために用いられる。 物理的にはスター型トポロジであるが、送信ノードとはポイントツーポイント(1対1)で信号をやり取りしても、 受信ノードとはマルチポイント(多対1)で信号をやり取りするため、論理的にはバス型トポロジである。

    3. ブリッジ
    4.  データリンク層での中継機能。 ブリッジ機器としてはスイッチングハブのなかでもレイヤ2スイッチと呼ばれるものが一般的に利用される。 各ポートに物理アドレスを持ち、一度リンクが確立したノードの物理アドレスとこのノードを接続しているポートの物理アドレスをマッピングして記憶しておく。 以後、記憶した物理アドレス向けのフレームを受け取ると、宛先の物理アドレスに接続されているポートのみに信号を流す。 リピータハブが受信ノードとはマルチポイントで接続するのに対し、スイッチングハブはポイントツーポイントで接続するので、物理的にも論理的にもスター型トポロジで構成される。 このため、ある端末が送受信中でも非送受信ノードのケーブルは空いており、待機せずに通信が可能になる。そのため、伝送効率が向上し通信時間が短縮される。 このようにしてネットワークの物理的負荷を軽減する目的で使用される。

    5. ルータ
    6.  ネットワーク層での中継機能、ルータ機能を持った機器自体も通常こう呼ぶ。 ルーティングプロトコルによりルータ間を辿りながらパケットを目的ノードに到達させる。 複数のLANを接続してWANを構成するために用いられる最も一般的な機器。通常はデータリンク層レベルで構成されたセグメント間を中継する。 2個以上の論理アドレスを持つことで複数のLANに接続し、異なるLAN間の中継を可能にする。 各ノードはLAN内にブロードキャストしても相手先論理アドレスを持つノードを見つけられない場合、ルータに代理リクエストを依頼する。 このルータはもう一方の論理アドレスが接続しているLANにブロードキャストして相手先ノードを探し、 見つけられなければ隣のルータ(ネイバー)に代理送信を依頼する。 これを繰り返すことでLANの異なる相手先ノードを見つけ出し、最終的に依頼元ノードにレスポンスを返す。 各LANのノードは2つのルータと接続されていても、通常は一つだけをあらかじめ設定しておく。 基本的にはリング形だが、メッシュ形での構成も可能。

    7. ゲートウェイ
    8.  異なるプロトコルで構成されたネットワークの中継機能。 TCP/IPの場合、ルーター機器はゲートウェイ機能を備え、EthernetネットワークをIPネットワークで中継することで他のEthernetとの接続が可能になる。

  17. ルーティング
  18.  ネットワークにおける経路制御の技術。 インターネットの世界は世界中にある複数のネットワークが接続し合うことで成り立っている。 ノードが送り出した電文をいくつもの経路を経て正しく相手のノードに送るための技術がルーティングである。 ルータは通常2個以上のポート(ケーブルの接続口)を持ち、それぞれに論理アドレスを設定している。

    1. ルーティングテーブル
    2.  各ルータに格納されルーティングの際、参照される経路情報。パケットの転送先を決定する。 以下の情報を持つ。

      • 送り先のネットワークアドレスまたはホストアドレス(Destination)
      • 次転送先ルーター(NextHop)
      • 経路の重み(Metric)
      • 送出先ポート(Interface)

       パケットを受け取ると、ルータはルーティングテーブルを参照してパケットの送り先と一致するネットワークアドレスもしくはホストアドレスの転送先にパケットを送る。

    3. スタティックルーティング/ダイナミックルーティング
    4.  ルーティングテーブルに設定されていないIPアドレスには経路転送することができない。 このため、ルーティングテーブルにルート情報を登録する必要がある。 ルーティングの方法にはスタティックルーティング(静的経路制御)とダイナミックルーティング(動的経路制御)がある。

      • スタティックルーティング
      •  ユーザーが手動でルーティングテーブルを作成する方式。 経路が増えるにしたがって(ルータが増えるに従って)管理者の作業負担が増す。

      • ダイナミックルーティング
      •  ルータ同士が自動で情報を交換することでルーティングテーブルを作成。 経路が増えても管理者の負担が増えることがないだけでなく、 経路に不具合が生じた際はルータ同士で情報交換してルーティングテーブルを更新してくれる。 ルーティングプロトコルによりルーティングテーブル更新を制御する。

    5. ルーティングプロトコル
    6.  ダイナミックルーティングで利用されるルーティングテーブル更新プロトコル。 代表的なルーティングプロトコルに小規模根ネットワーク向けのRIPと大規模ネットワーク向けのOSPFがある。 そのほかにCisco System社が独自開発したプロトコルのIGRP、EIGRPなどがある。

    7. アクセスリスト
    8. ACL(Access Control List)と呼ばれ、ルータによるネットワークセキュリティの手法として用いられる。 送信元アドレスのほか、送信先アドレス、プロトコル、ポート番号などでパケット通過の許可、拒絶を決定する仕組み。

    9. ネットワークアドレス変換
    10. NATと呼ばれるプライベートアドレスとグローバルアドレスの変換技術。
      ポート番号を付与することで1つのグローバルアドレスに対し、複数のプライベートアドレスを設定できるNAPT(IPマスカレード)が主流。