1. リレーショナルデータベース
  2.  関係モデルにもとづいたコンピュータによる永続的なデータ管理の仕組み。

    1. データ操作
    2.  リレーショナルデータベースにおけるデータ操作には関係代数関係計算がある。関係計算はデータベースに対するデータの問い合わせを一階述語論理で表現し、SQLのようなデータベース言語の基となる。関係代数は集合演算を用いてデータベースへの問い合わせを表現するもので、さらに集合演算では表現できない関係代数独自の演算も含まれる。

      • 集合演算
        • 和(union)
        •  関係Rと関係Sの間でOR論理演算(和演算)を行い和集合(R∪S)を作る

        • 積(intersection)
        •  関係Rと関係Sの間でAND論理演算(積演算)を行い積集合(R∩S)を作る。

        • 差(difference)
        •  関係Rから関係Sを同一のデータを取り去って差集合(R-S)を作る。

        • 直積(Cartesian product)
        •  関係Rと関係Sのすべての組み合わせの集合(R×S)を作る

        ※例
        支店商品(支店,商品番号,商品名,色,サイズ)

        支店商品[支店="新宿店"]
        0001,Tシャツ,白,M
        0002,Tシャツ,黒,M
        支店商品[支店="池袋店"]
        0001,Tシャツ,白,M
        0003,Tシャツ,白,L

        ↓和(新宿店∪池袋店)
        0001,Tシャツ,白,M
        0002,Tシャツ,黒,M
        0003,Tシャツ,白,L

        ↓積(新宿店∩池袋店)
        0001,Tシャツ,白,M

        ↓差(新宿店-池袋店)
        0002,Tシャツ,黒,M

        商品(商品番号,商品名,色,サイズ)
        支店(支店番号,支店名)

        ↓直積(商品×支店)
        0001,Tシャツ,白,M,01,新宿店
        0002,Tシャツ,黒,M,01,新宿店
        0003,Tシャツ,白,L,01,新宿店
        0001,Tシャツ,白,M,02,池袋店
        0002,Tシャツ,黒,M,02,池袋店
        0003,Tシャツ,白,L,02,池袋店

      • 関係代数独自の演算
        • 射影(projection)
        • 関係Rを構成する属性のうち、属性Aだけを残して新しい関係R[A]をつくる。

          ※例
          支店商品(支店番号,支店名,商品番号,商品名,色,サイズ)

          01,新宿店,0001,Tシャツ,白,M
          01,新宿店,0002,Tシャツ,黒,M
          01,新宿店,0003,Tシャツ,白,L
          02,池袋店,0001,Tシャツ,白,M
          02,池袋店,0002,Tシャツ,黒,M
          02,池袋店,0003,Tシャツ,白,L

          ↓支店商品[支店番号,支店名]
          01,新宿店
          02,池袋店

        • 結合(join)
        •  関係Rと関係Sの中から属性A,Bが一致する組を取り出して新しい関係R[AθB]Sをつくる。
          比較演算θは=,≠,>,≧,<,≦からなる比較演算子を表す。

          ※例
          支店商品(支店番号,商品番号,商品名,色,サイズ)

          01,0001,Tシャツ,白,M
          02,0002,Tシャツ,黒,M
          02,0003,Tシャツ,白,L
          04,0004,Tシャツ,黒,L

          支店(支店番号,支店名)

          01,新宿店
          02,池袋店
          03,渋谷店

          ↓支店商品[支店番号=支店番号]支店
          01,新宿店,0001,Tシャツ,白,M
          02,池袋店,0002,Tシャツ,黒,M
          02,池袋店,0003,Tシャツ,白,L

        • 選択(selection)
        • 関係Rの属性Aに対し、比較条件を満たす関係R[Aθx]をつくる。

          ※例
          支店商品(支店番号,商品番号,商品名,色,サイズ)
          比較演算θは=,≠,>,≧,<,≦からなる比較演算子を表す。

          01,0001,Tシャツ,白,M
          02,0002,Tシャツ,黒,M
          02,0003,Tシャツ,白,L
          04,0004,Tシャツ,黒,L

          ↓支店商店[支店番号="02"]
          02,0002,Tシャツ,黒,M
          02,0003,Tシャツ,白,L

        • 商(division)
        •  関係Rに対し関係Sと直積の関係が成り立つ組を取り出して関係(R÷S)をつくる。

          ※例
          支店商品(支店番号,商品番号,商品名,色,サイズ)

          01,0001,Tシャツ,白,M
          02,0001,Tシャツ,白,M
          02,0002,Tシャツ,黒,M

          支店(支店番号,支店名)

          01,新宿店
          02,池袋店

          ↓支店商店÷支店
          0001,Tシャツ,白,M

    3. データベース言語
    4.  データベースのデータ構造を定義したり、データ操作を記述する言語。プログラム言語と違い、データを宣言する言語とデータ操作を実行する言語が別々になっている。データを宣言する言語をデータ定義言語(DDL)と呼び、データ操作を実行する言語をデータ操作言語(DML)と呼ぶ。

    5. SQL
    6.  リレーショナルデータベースにおいて関係代数と関係計算に基づいた処理を行うデータベース言語。ISOによって国際標準規格化されている。
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